2021.10.22

屋根カバー工法とは?

カバー工法について


1.ガルバリウム鋼板(金属屋根)を使用するのが主流
カバー工法は、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねる施工方法です。
耐用年数が短いスレート屋根(カラーベスト屋根・コロニアル屋根)のリフォーム工事に多用されています。
重ねる屋根材は軽いことが条件になります。
瓦屋根以外の金属屋根・スレート屋根・アスファルトシングル屋根が適していますが、金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)を使用するのが主流です。

2.屋根カバー工法の施工方法
1.設置するルーフィングの接着をよくするため、屋根材の汚れやホコリを高圧洗浄で水洗いする。
2.棟板金などの撤去を行い、既存の屋根の上にルーフィングを張る。
3.新しい屋根材を施工し、棟板金などを取り付ける。

メリット


1.断熱材・遮音性・防水性
既存の屋根と新しい屋根の二重構造になるのでより屋根としての効果が高くなります。
特に「ガルバリウム屋根で雨音が気になっている」という方にはおすすめです。

2.工事費用が安い
カバー工法は、元々あった屋根の上に新しい屋根材を重ねるだけの工事なので、古い屋根材を撤去するための人件費と廃材処分費が掛かりません。
そのため「葺き替え工事」と比べるとリフォーム全体にかかる費用が安価です。

3.工期が安い
葺き替え工事の場合、古い屋根を取り外す際に養生をする必要がありますが、カバー工法ではその手間を省けます。
通常葺き替え工事のリフォームの場合、工事期間が7~30日程度かかりますが、カバー工法であれば約5~15日でリフォームが完了します。

4.騒音やホコリのトラブルが少ない
屋根を交換する際は、騒音やホコリに悩まされることが多く、近所とトラブルになってしまうケースがあります。
カバー工法であれば、工事中に騒々しい音やチリが発生するリスクが少ない上、工期が短いので、周囲の方への迷惑は最小限に抑えられます。

5.アスベストにも対応できる
2004年以前、スレート屋根の材料には、がんの原因になりやすいアスベスト(石綿)が使われていました。
今では製造・販売・使用共に中止になっていますが、まだ屋根にアスベスト材が含まれる建物も多く残っています。
しかし葺き替え工事を行うとなると、アスベストの処分費用が高額になり、また解体時にアスベストが近所に飛散しないよう対策をしなくてはなりません。
カバー工法なら、屋根を壊すことなくリフォームできるため、このようなリスクが少ないと言えます。

デメリット


1.耐久性に影響する可能性がある
カバー工法は屋根全体の重量が増えてしまうため、耐震性能が少々低下します。
とはいえ、戸建て住宅に多いスレート屋根に、軽量な金属屋根材でカバー工法を行った時の総重量は、約23~26kg/㎡程度です。
昔ながらの住宅で見られる瓦屋根は約60kg/㎡なのでそれと比べたらカバー工法でリフォームした屋根のほうが軽いと言えます。
大多数の住宅は問題ないと考えられますが、不安な方はリフォーム会社に相談してみるとよいでしょう。

2.瓦屋根にはほぼ対応できない
元々ある屋根の上に、フラットな金属屋根材などを固定するのがカバー工法の方式です。
つまり、波型の形状の屋根や、厚みがある屋根材の上には、固定することが出来ない為、陶器やセメントで作られた日本瓦の屋根は、カバー工法には不向きです。
また瓦棒(トタン)屋根は、カバー工法を施工することは不可能ではありませんが、思い切って葺き替え工事を行うのが効率的と判断されることがほとんどです。

3.内部の補修が必要な屋根には施工できない
屋根の下地や内部が劣化しているときは、その上から新しい屋根をかぶせるだけでは危険です。
下地から劣化している屋根の場合、まずは補修しなければいけません。
また、雨水などを吸収して腐食していく可能性があるため、新しい屋根材を固定する際に釘を打つことができず、葺き替え工事を行うことになるパターンもあります。

この通りカバー工法にはメリットもあれば、デメリットもあります。
カバー工法が適さないケースもあるので、まずは屋根に精通したプロに相談してみることをおすすめします。

最後に


屋根材を選ぶ際に価格やカラーにこだわる人は多いですが、商品選びに積極的な人は少ないのが現状です。
しかし、屋根材はメーカーや商品によって保証も特徴も異なります。
カバー工法を行うのであれば商品の特性を知り、しっかり吟味することが大切です。
商品についてしっかり把握しておけば、より質の良いリフォームを行うことができます。

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