2022.01.09

モルタル外壁について

皆さんこんにちは!いつもお世話になっております。みらい住宅サポートの髙橋です。
今回はモルタル外壁について解説していきます!

外壁は建物の劣化を防ぎ、室内の環境を良好に保つために重要な役割を担っています。損傷などが見られるようになったら外壁塗装が必要ですが、モルタル外壁を検討する人は多いものです。

モルタル外壁とは

モルタル外壁」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。国内の外壁塗装でよく採用されている工法です。

耳馴染みのある言葉ですが、どのようなものかよく分からないという人も少なくありません。

モルタル外壁の特徴

モルタル」とは水と砂、セメントを混合した塗材を指します。これを金属製の網である「ラス」などの上から塗り付け仕上げるものが「モルタル外壁」と呼ばれています。

近年では住宅の外壁を形作るパネル型式の外壁材である「サイディングボード」の普及も進んでいますが、それ以前に主流だった工法として、全国的に取り入れられてきました。

さまざまな状態に仕上げられる特性を持っているため、多様なデザインを可能にします。

塗装する時期の目安

住宅を建設する際にモルタル外壁塗装を採用した場合、標準的な耐用年数は30年といわれています。外壁の寿命としては、十分な期間といえるでしょう。

ただし定期的なメンテナンスが必要な点は、よく理解しておきましょう。一度塗ったらそのままで30年間維持できるというわけではありません。

再塗装する時期としては10年をひとつの目安とするとよいでしょう。定期的にメンテナンスを行い、外壁の劣化や損傷を防いでいく必要があります。

新築の建売住宅を購入した場合は、最初の5年でしっかりと点検することをおすすめします。ここで劣化が進行していたら、早めの塗装が必要です。

建売住宅では販売価格を下げるために、各部にコストダウンを図っている場合があります。塗装に関しても耐用年数の短い塗材を使っている可能性があるのです。そのため新築だからと安心せずに、早めの点検が重要と考えましょう!

劣化症状の例
ひび割れ
チョーキング

表面にチョークのような粉が付着する「チョーキング」は、劣化のサインといえます。外壁に軽く触れたときに、粉が手に付く状態であれば注意が必要です。

0.2~0.3mm程の幅のひび割れが生じる「ヘアークラック」も劣化の症状です。細いひびを髪の毛になぞらえ、そう呼ばれています。雨水の浸透を招き、雨漏りの原因になるだけでなく、湿気で建材の腐食を引き起こす要因にもなるのです。

対して「構造クラック」は0.3mm以上の幅で深さ5mm以上ある大きなひび割れを指します。放置すると基礎の強度が下がり、建物そのものを支えられなくなるリスクがあるのです。

塗膜の膨れ」が起こるケースもあります。ひびなどから侵入した雨水が直射日光によって温められると、体積が膨張します。そして塗膜を内側から押し出すようにして膨らませてしまうのです。

モルタル外壁のメリット

モルタル外壁が国内の住宅建設で大いに活躍したことには、それなりの理由があります。

防火性に優れている

優れた防火性は最大のメリットといってよいでしょう。地震が多く火の元への注意が不可欠な日本の生活環境において、防火性は重要かつ不可欠な要素です。

使用するケースが増えたサイディングボードは、外壁に1枚ずつ設置するように施工します。対してモルタル外壁は建物の外周を取り囲むように塗布し、施工するのです。そのため隙間が生まれず、火が移るリスクを軽減するのです。

素材にもセメントや砂、水など、不燃性の高い材料が使用されています。つまり素材そのものが火に強い性質を持っているといえるのです。

耐久力がある

モルタル外壁の耐用年数は、一般的に30年といわれます。定期的なメンテナンスは必要ですが、基礎的な耐久力の高さは、暮らしを守る建材として安心感を抱けるものです。

30年という耐用年数もメンテナンスの仕方によっては大幅に延ばせます。適切な手入れを施すことで、半永久的に寿命を延ばすことも可能なのです。長期的に見ればコストの節減にもつながるでしょう。

サイディングボードのように継ぎ目が生まれないため、揺れに強いという性質も持っています。地震が起こっても住宅が倒壊しにくい面にも心強さがあります。

デザイン性が高い

多様な仕上げが可能で、それぞれに独自のテイストを備えているモルタル外壁であれば、好みの意匠で完成させられます。デザイン性の高さも忘れてはいけない大きな魅力です。

より細かい点にまでこだわるならば、熟練の技を身につけた職人による左官仕上げを検討しましょう。伝統と歴史に裏打ちされた技術で、高級感に満ちたオリジナルな住宅が完成します。

モルタル外壁のデメリット

日本の住宅作りを支えてきた工法ですが、よい面ばかりではありません。注意すべき点も存在します。

採用した後に後悔しないために、デメリットについても事前に把握しておくことが大切です。

ひび割れ(クラック)が起こりやすい

モルタル外壁は壁全面に塗材を塗布していく工法です。そのため外壁に継ぎ目がありません。継ぎ目がないことは防火性向上や耐久性維持という利点がある一方で、ひび割れ(クラック)が起こりやすいというデメリットがあるのです。

外壁は直射日光を浴び、強い紫外線を直に受けます。くわえて気温や湿度といった環境の変化があります。さらに時おり発生する地震の揺れは、外壁に大きなダメージを与えるのです。

このような要因により負荷がかかった外壁は、ひび割れを引き起こしやすくなります。外壁工事の中でもモルタル塗装はクラックを生じさせやすい工法といわざるを得ないでしょう。

汚れが目立ちやすい

外壁は外から見た際の印象にも大きく影響するため、できるだけ良好な状態を維持しておきたいものです。美しい外観はそれだけで住宅のイメージをアップさせます。

モルタル外壁の弱点のひとつが、汚れの目立ちやすさです。またカビ・コケが発生しやすい面もあります。気が付いたときは早めの対処が大切です。

防汚性を備えた塗料や、防カビ剤やコケを寄せ付けない溶剤を混ぜた塗料も開発されています。これから塗装を行うならば、そのような効果を持つタイプを選択することも一案です。

最後に

使用年月が経つにつれ水を吸収する性質が、モルタルにはあります。そして吸収した水が熱せられ膨張することで、塗膜を損傷させる可能性があるのです。

内側から押し出されるように膨らんだ塗膜は、ひび割れや剥がれが生じやすくなります。そこから雨水が侵入すると、建材の腐食や雨漏りにつながるのです。また塗膜の劣化は家全体の耐久性も低下させます。

劣化を進行させず損傷を未然に防ぐためには、定期的なチェックが欠かせません。一定期間ごとに気を配り、安全な状態をキープしましょう。

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