外壁リフォームに塗装とは違う『外壁カバー工法』があります。
『金属サイディングの重ね張り』とも言います。
既存の外壁の上に金属サイディングを張って仕上げる方法です。
張り替えよりも手間と費用がかからない外壁リフォーム方法です。

外壁カバー工法のビフォーアフター

Before
After

工事日数

金属サイディングカバー工法に要する工事日数は、25坪程度の建物の場合、2週間から3週間程度が目安になります。
ただし、屋根のカバー工法や葺き替えなどの屋根工事と同時に行うことが多いです。
屋根工事も合わせると計1ヶ月程度になります。

施工する職人さんについて

外壁カバー工法(屋根カバー工法も)は板金職人がおこないます。
金属サイディングは、サイディングの代表格である窯業サイディングとは異なる道具や技術を要する仕事です。
専門の職人がいる会社があるからこそ、質の良い工事が確保できるともいえます。
板金工の職人のいる会社に依頼しないと工事を成功させるポイントのひとつです。

塗装工事もあります。

外壁カバー工法には、塗装工事が必要となる場所があります。
外回りすべてを金属サイディングで重ね張りできるわけではありません。
張れない部位があります。
張れない主な部位は、破風板、軒天、霧除け庇、雨樋、戸袋、シャッターBOX、水切り板金などです。
これらの場所は板金職人ではなく塗装職人が施工をおこないます。
せっかく足場をかけて工事をしているのに、塗装工事も一緒にしなければ、そこの部分だけが痛みまた足場を組み、工事をしなくてはなりません。
又、板金職人しかいない会社に頼むと塗装工事が外注になり、料金も割増になってしまいますし、施工の管理も出来ないので、不良施工が起きやすくなってしまいます。
それなので、板金職人だけがいる会社だけでなく塗装職人もいる会社に頼むのがベストです。

外壁カバー工法(金属サイディング張り)の施工手順

工事前の建物

築31年が経過した木造住宅です。
外壁はモルタルの外壁でした。クラックやひび割れなども多数ありチョーキングも見られていました。
はじめは外壁塗装によるリフォーム方法をお客様は検討されていましたが、「まだまだ長く元気に暮らしたい」というご希望と「イメージを変えたい」というご要望があり、外壁塗装ではなく金属サイディングによる外壁カバー工法をご提案させて頂きました。

外壁カバー工法はすべての外壁でおこなえる工事ではありません。
雨樋や換気扇のカバー、給湯器など壁に取り付いている付帯物は全て一度取り外して付け直す必要があります。
集合住宅などの付帯物が多い建物や狭小地などは外壁カバー工法に向いていない建物です。もちろん出来ないことはありませんが費用は割増になります。経験豊富な会社でなければ適切な判断ができない工事です。

屋根の調査

ドローン調査

外壁とあわせて屋根の調査もおこないました。
屋根も劣化が進んでおり今まで屋根も塗装工事のみとのお話でしたので、防水シートの耐久年数も過ぎていることから、屋根もカバー工法を提案させて頂きました。
外壁をやる際に屋根もやらなければまた足場を組まないといけなくなり無駄な出費になります。
決して安い工事ではないので一概には言えませんが、屋根と外壁を同時にリフォームした方が経済的にもお得です。

足場着工

足場組み立て

まず現地調査をして御見積書を提出し、ご契約をして、打ち合わせをして工事開始です。
まずはじめに外壁や屋根を工事するために必要な足場を組み立てます。
朝8時半から始めて午後3時頃に完了しました。
良い足場あってこその良い施工なので適当な足場では絶対にダメです。事故にも繋がります。
組立後しっかり全体を点検して危ないところがあれば直してから、飛散防止のメッシュシート貼って足場組立が完了になります。

透湿防水シート貼り・胴縁取り付け(空気層の確保)

胴縁の取り付け

まずは透湿防水シートを貼ります。
透湿防水シートは外部からの水の侵入を防ぎ、内部の湿気を外に逃がしてくれる役割があります。
透湿防水シートを貼り終わった後、外壁面に胴縁を取り付けます。
胴縁と胴縁の間に空気層ができます。
金属サイディングの裏側に水分が入り込んだとしても空気層があるため、外壁ないに雨水が入っても雨水が排出される構造になります。

空気層の効果は雨漏り改善だけではありません。
たくさんのメリットがある工事です。
もちろん、外壁通気工法がすでに採用されている外壁にも有効なメリットです。
胴縁があるかないかで住まいの快適性能が大きく変わります。

メリット

1 雨漏り防止になる。

2 断熱効果が高まる。

3 遮音効果が高まる。

4 壁内結露防止になる。(建物が傷みにくくなる)

土台水切り・スターター・見切縁取り付け

土台水切り・スターターの取り付け


まず土台水切り、スターターを取り付けて、窓回りや外壁のつなぎ目には見切縁(みきりぶち)とよばれる金物を取り付けます。
こういった金物に金属サイディングを差し込んで、金属サイディングを固定させます。
これらの部材を役物(やくもの)と呼ぶこともあります。

金属サイディングの搬入

金属サイディングの搬入

金属サイディングが搬入されました。
大きさは長さ約メートルあります。
資材置き場には、最低でも車一台分のスペースが必要となります。
今回施工するのは、ニチハのiシリーズから「ソフィアルブリック」のカラーはSPココアになります。
高耐候コーティングを施したガルバニウム鋼板の意匠性のある金属サイディングです。

金属サイディングの断熱材

断熱材入りの金属サイディング

今回使用した金属サイディングの内部には断熱材が充てんされています。
空気層の断熱効果に加えて金属サイディング自体の断熱効果も得られます。
実は断熱材付き金属サイディングは窯業サイディングよりも断熱効果が高い外壁材です。

金属サイディング張り

金属サイディングの張り付け

胴縁に水平器で水平を見ながら、金属サイディングを打ち付けて張っていきます。
今回の張り方向は横方向です。
横張りサイディングともよびます。

その他、縦方向に張っていく立て張りサイディングがあります。

出隅(でずみ)部分

外壁と外壁の角を出隅と呼ぶ

外壁と外壁の角を出隅(でずみ)とよびます。
この部分には出隅役物とよばれる仕上げ部材(キャップ)を取り付けます。

シーリング打ち

みらい住宅サポートで良く使用するシーリング材

仕上げキャップを取り付ける前に、シーリングを打ちます。
金属サイディングの場合、シーリングは仕上げ部材で覆われる(一部を除く)為、紫外線や雨風の影響を受けにくいです。
メンテナンスが不要といえます。
ケイミューの「はる・一番」のようにシーリングレスタイプの金属サイディングも販売されています。

外壁と外壁のジョイント部分

仕上げキャップの取り付け

金属サイディング同士が結合する部分にも仕上げキャップを取り付けます。
ジョイナー役物とよびます。
窯業サイディングではこの部分はシーリングになりますが、金属サイディングでは金属製の部材を取り付けます。

屋根カバー工法

スーパーガルテクトフッ素 施工

続いて屋根のカバー工法。
既存の棟板金、棟下地を撤去します。
その後、既存のスレートの上に防水シートを貼り、屋根材を葺いていきます。
今回施工させて頂いたのは、アイジー工業の「スーパーガルテクトフッ素」という断熱材入りの屋根材です。色はSFブラック。
超高耐候の遮熱性フッ素樹脂鋼板。人気の断熱材入りガルバリウム鋼板の中でも最上級な屋根材です。

雨樋取り付け

雨樋を取り付けます。
塗装で仕上げた破風板に軒樋を取り付けます。
材料はPanasonicのパラスケアU105 色はホワイト。

シャッター取り付け

シャッター取り付け

建物が高台にあり、風通しが良く台風シーズンなども風がすごく、怖いのでシャッターも付けたいとお話をいただき施工させて頂きました。

シャッターをつけるメリットとしては

1.雨や風による飛来物から窓ガラスを守る
窓のシャッターは、雨や風による飛来物を守るために役立ちます。
特に台風などの強風は、思わぬ重量の物を飛ばし、2階以上の窓ガラスに当てることもあるのです。
その場合でも、窓にシャッターがあれば、ガラスに当たることを防げます。
また、雨風の強い日にシャッターを閉めると、窓の外側の汚れも防げるので掃除の手間を軽減できます。

2.防音効果がある
窓のシャッターには防音効果も期待できます。
シャッターがあれば、雨音や風の音、車の音、道路工事の騒音、近所から聞こえる声などを軽減でき、快適に過ごせます。
シャッターに守られている安心感もあり、暴風雨の日も精神的にも安定して過ごせます。
また室内の音が隣家へ漏れるのも防げるので、小さな子供がいるご家庭でも安心です。

3.遮熱・断熱効果がある
遮熱、断熱効果もシャッターを取り付けることで得られる効果の一つです。
夏の暑さや冬の冷気が入り込むの防ぎし、室内を快適な温度にしてくれます。
また、強い日差しも遮って、太陽光による気温上昇やまぶしさ、床やたたみ・家具の日焼けも防げます。
エアコンの効き具合も良くなるため節電にも効果的です。
シャッターの種類によっては、日差しは遮り風だけ取り入れられるものや、日差しの入り込む量を調節できるものもあります。

4.防犯対策になる
シャッターは、設置する階層に関わらず防犯対策として役立ちます。
2階の窓からの空き巣の侵入リスクは、1階ほどではありませんが、ないとは言い切れません。
むしろ、無防備な2階を狙われることもあります。

特に周囲に侵入の足場になりそうな塀などがある環境では、簡単に2階の窓まで到達されるかもしれません。
2階の窓にもシャッターが付いていれば、空き巣に目を付けられるリスクをかなり抑えられるでしょう。

工事点検

工事後の点検

工事後再点検をおこないます。

金属サイディング・屋根のカバー工法 完成

施工後の写真
施工後 ドローン点検

足場を撤去し、外回りの掃除も終わり、金属サイディング・屋根のカバー工法の完成です。
外壁と屋根共に美しい外観に生まれ変わりました。
もちろん見た目だけではなく、住宅の断熱材性と気密性も改善しました。
外壁と屋根そのものが新しくなって新築同様の仕上がりになり、お客様に喜んで頂けて良かったです。
快適になったお住まいで、安心・安全にお過ごしください。

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