2022.02.04

スレート屋根について

お世話になっております。
みらい住宅サポートの三浦です。
今回現場レポートさせて頂くのはスレート屋根についてです。

スレートとは、セメントを薄い板に加工した屋根材です。1枚あたりタタミ1畳ほどの大きさで、住宅に付いているスレート屋根材は敷き詰めたあと釘や接着剤で固定した物が取り付けられています。
スレート屋根は、日本の住宅の屋根材としてはもっとも普及しており、修理やリフォーム工事に対応している業者も数多くいます。

スレート屋根材の種類

1、平形スレート

平形(ひらがた)スレート屋根とは、文字通り平な形をしたスレート屋根材のことです。
一般住宅でもっとも多く使用されており、見かけることも多いかと思います。
呼び名ですが、化粧スレートと呼ばれることよりも、商品名で呼ばれることが多いです。
・コロニアル
・カラーベスト
・パミール
・フルベスト

などと同じスレート屋根でも種類によって呼び名は様々です。
「パミール」は(はがれ、割れ、くぎの錆び等)が発生する屋根材で、10年以上経過すると悲惨な状態です。

2、厚形スレート

厚形スレートは、セメントモルタルを型枠に流し込み、プレス、脱水、をして成形したものです。
1番で紹介した化粧スレートと比較して厚みが厚いことから厚形スレートと呼ばれています。
現在の正式名称は、「プレスセメント瓦」となっています。
また、よく似た屋根材として「コンクリート瓦(別名、モニエル瓦)」があります。
コンクリート瓦は製造工程が異なり、半乾式押し出し成形したものになります。
30年ぐらい前は、粘土瓦に比べて安価なモニエル瓦が世界的に大流行した時期もありました。
現在、海外メーカーであるモニエル社は日本を撤退していて、在庫等もほとんどありません。

3、波形スレート

文字通り波の形をしたスレートを「波形スレート」と呼びます。
大判のサイズとなっていて、屋根材の下に野地板が必要ないため、工場、倉庫、駅舎、体育館などの大きい建物で使用されています。

4、石綿スレート

今から約16年前まで、スレート屋根材には、発がん物質であるアスベスト(石綿)含まれてました。
健康被害が発生することから、現在は使われていません。
住宅用の平形スレートや波形スレートには多くのアスベストが使用されていました。
古いスレート屋根にはアスベストが混入しているので、飛散しないように注意する必要があります。

スレート屋根材の耐久年数

瓦屋根より軽く、耐震性が高いことで人気なスレート屋根ですが、メンテナンスをしなかった場合の寿命は20~30年ほどです。
しかしすべての家が何もせず20~30年もつかというと、そうではありません。
寿命を縮めないためには定期的なメンテナンス(塗装)が必要です。
なぜならスレートは、主成分がセメントのため塗装しないと水を吸って劣化し、苔が生えたり、ひびが入ったりする恐れがあります。
 メンテナンスをせずに放置すると、スレート屋根が傷み、雨漏りの原因になります。
雨漏りしてしまうと内部の木材が腐ってしまい、塗装やカバーではなく葺き替え工事になり、工事費用も2倍近く跳ね上がってしまいます。
 塗装のタイミングは約10年に一度と言われてますが定期的に点検をしてもらい状態を小まめに知っておくと大きな問題が起きる前に対処出来そうです。

スレート屋根材の劣化症状

1、ヒビ、欠け、割れ

ヒビ、欠け、割れは経年劣化による症状です。
スレート屋根は、雨などで水分を含むと膨張して晴れた日には乾いて乾燥します。
この「膨張」と「乾燥」を繰り返すことで、釘で固定されているスレートに歪みが生じて、ひび割れが発生します。
 
気候などによっても異なりますが、10年ほどの年月をかけてゆっくりと歪みが進行して、ひびが発生してくるのです。
ちなみに、スレート屋根にひびが入った場合は、新しいスレート屋根に取り替える必要があります。

2、スレート屋根の色褪せ

色褪せは、新築時の塗膜の効果が切れることで発生します。
塗膜とは、スレートに塗られていた塗料が、紫外線によって劣化している状態です。
 スレート屋根の色褪せは、環境によっても若干違いますが、5年前後で現れることが多いです。
スレート屋根が色褪せすると、屋根自体が水分を吸収しやすい状態になってしまいます。
ちなみに、色褪せしたスレート屋根の対処法としては、新しいスレート屋根への取替えか塗装を塗り直す事で解消されます。

3、スレート屋根材の反れ

スレート屋根の反りが発生する原因は、ひびと同じです。
水分を含んで膨張し、晴れの日に乾燥を繰り返すことで反りが進行していきます。
 スレート屋根の反りは、10年ほどかけて進行し、一度反ってしまったスレート屋根は元に戻ることはありません。
色褪せや塗装剥がれであればカバー工事で対処できますが、反ってしまった場合は、スレート屋根の交換をする必要があることを覚えておきましょう。

4、スレート屋根材の苔

コケの繫殖は、スレート屋根の防水効果が切れていることを表しています。
常に吸水している状態にあるため、空気中のコケの胞子が屋根につき、繫殖してしまいます。
 コケが繫殖すると、スレート自体が脆くなってしまうので、注意が必要です。
7~10年でコケが発生しますが、特に日の当たらない面で、よく見られます。
コケが発生した場合は、スレート屋根の交換をするか高圧洗浄でコケを洗い流すようにしましょう。

スレート屋根材のメンテナンス、施工方法

1、塗装


塗装は、屋根の汚れを高圧洗浄で取り除いたあとに新しい塗料を塗装する工事のことをいいます。
スレート屋根は防水性が低い屋根材なので、色褪せ、カビや藻の発生など、劣化の症状が軽度である場合は塗装によるメンテナンスで防水効果を補うようにしましょう。
塗装を行うことで屋根材自体の劣化を抑えたり、長持ちさせたりすることもできます。張り替えやカバー工法などに比べて費用を抑えることができるのが塗装のメリット。
定期的な塗装を面倒に感じるかもしれませんが、劣化が進んで張り替えを行わなければならなくなると更に費用がかかってしまうため、できるだけ早めに対応することをおすすめします。

 

2、カバー工法

塗装ではメンテナンスできないほど劣化が進んでいる場合は、カバー工法か葺き替えのどちらかを選ぶことになります。カバー工法とは古い屋根材の上に新しい屋根材を重ねて張ることをいいます。
重さのある屋根材を重ねると家に負担がかかってしまうので、軽量であるガルバリウム鋼板などが使われることが多くなっています。屋根が二重になるため、防音性や断熱性を高められるのがカバー工法のメリットです。
また古い屋根材を撤去する費用や手間が必要ないことから、費用を抑えられることや工期が短くて済むこともカバー工法のメリットだといえます。しかし屋根が二重になっていることのデメリットとして、雨漏りが起きてしまったときに原因を特定しにくいことがあげられます。

3、葺き替え工事

カバー工法も選べないほど劣化していたり、新しい屋根に変えたいといった場合には葺き替えという方法を選ぶことになります。
古い屋根材を撤去するため費用や手間がかかってしまいますが、張り替えを行うことで耐久年数を延ばすことができます。
塗装やカバー工法よりも費用が高くなるだけではなく、下地の取り換えが必要になると更に費用がかかってしまう可能性があることも頭に入れておくようにしましょう。
定期的に塗装などのメンテナンスを行っていれば張り替えが必要になることはありません。
屋根の状態を知った上で、適切なメンテナンスを行うようにしましょう。

 

4、定期点検

屋根は家の中でも最も高い位置にあるため、なかなか自分の目で確認できる機会はありませんよね。
2階から1階の屋根が見られるような場合は定期的に自分でも色褪せやひび割れなどはないかどうか確認してみると良いでしょう。
屋根を自分で見ることができない場合は、定期的な点検を業者に依頼することをおすすめします。
塗装には費用がかかってしまいますが、放置しておくと張り替えしか選ぶことができず、塗装よりも費用が高くつくこともあります。
予め状態を把握し、メンテナンスをするべき時にしておくと大きな工事になる前に対処出来るので長い目でみた時の費用は抑えられそうです。

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