2023.01.16

話題の塗装が出来る屋根材、塗装が出来ない屋根材とは!?

お世話になっております。みらい住宅サポートです。
今回は最近話題の塗れる屋根材、塗れない屋根材についてご説明させていただきます。

屋根材を全く知らない会社さんに塗れない屋根材を見て塗れると言われて塗ってしまった方や今見積りをとっているが、屋根材が何なのかわからない方がたくさんいらっしゃると思いますので、自分の家の屋根材は何なのかをしっかり把握しておきましょう。判断できない場合は、お気軽にお問い合わせください。

屋根のメンテナンスとして、屋根塗装を選択する方は多いと思います。

スレート屋根というのは、一般的には7年を超えて15年までを目安に、塗装メンテナンスを進められるかと思います。

しかし、塗装しても剥がれてしまう屋根があることをご存知でしょうか?

塗ってはいけない屋根がある

屋根材には塗装できない、あるいは塗装に不向きなものがあり、家を長持ちさせるにはそれぞれに合った工法を判断する必要があります。

屋根材の傷みが激しかったり変形が起きている状態では、いくら塗装したところで長持ちしません。

「塗装ができるスレート屋根」

「塗装ができないスレート屋根」

それぞれを症状別に紹介します。

塗装ができるスレート屋根材

多くの家で使用されているのが『スレート屋根材』です。

塗装できる・できないは見分け方が難しいことも多く、数々の症例を見てきた屋根診断のプロフェッショナルでないとわからない事があります。

スレート屋根のカビ・コケ

Before
After

コケやカビが生えているだけの屋根は通常は塗り替えが可能です。

しかし、高圧洗浄でしっかり汚れや苔をしっかり落としてから塗装する必要があります。
下塗り剤も厳選する必要がありますので非常に大事です。

コケが生えている屋根は、劣化が激しくなっている事も考えられます。

歩行をするだけで割れてしまうぐらい劣化している屋根材や雨漏りが既にしている場合は、塗替えできません。

塗装出来ないスレート屋根材

ニチハのパミール

一見すると健康な屋根に見えます。

建材メーカーのニチハが製造したパミールという屋根材は、ミルフィーユのように層間剥離を起こしてしまいます。
したがって、パミールの屋根はいくら塗装しても表層が塗膜と一緒にめくれてしまいますので、塗装では対処できません。

写真程度の劣化ではパミールだとわからずに塗ってしまう塗装会社がほとんどです。

屋根がパミールの場合は早めに屋根をカバー、または葺き替えしなければ雨漏りの心配があります。

塗れない屋根に塗装をしても、数年後には塗膜が剥がれたりして、高いお金をかけた塗装も無意味になってしまいます。
家にとって良いことはひとつもありません!しっかりと診断できる業者を選びましょう!

ニチハ パミール

ケイミューのコロニアルNEO

ケイミュー コロニアルNEO

コロニアルNEOは、2001年に昔のクボタから販売されたノンアスベストのスレート屋根の商品です。

アスベストが含まれていることで販売中止となったニューコロニアルの後継品です。

アスベストが禁止された直後に販売された第二世代のスレート屋根に該当します。

2008年にコロニアルグラッサやコロニアルクァッドが発売されるまでの約7年間しか販売されていない商品です。

しかし、「スレート屋根=コロニアル」と言われるほどコロニアルはスレート屋根のシェアを独占していた商品なので、コロニアルNEOは多くの戸建て住宅で採用さています。

年々、コロニアルNEOに悩まされている人がたくさんいます。

ひび割れや欠け、反りなどの不具合に悩まされている人が非常に増えています。

コロニアルNEOは築10年、早ければ、5年ほどでひび割れなどの不具合が目立ち始めることがあります。

こちらも塗装できない屋根材になります。

ノンアスベスト屋根材でも塗れる種類がある?

アスベストが禁止され登場したノンアスベスト屋根材ですが、確かに発売初期のノンアスベストのスレート屋根材(主にパミールやコロニアルNEO)は脆く耐久性が低い屋根材でした。
しかしその後改良され、2008年頃からは改良版のノンアスベストのスレート屋根材(主にコロニアルグラッサやコロニアルクァッド)が主流となっています。

実際に現場を見て回っていても、初期のノンアスベストのスレート屋根材であるコロニアルNEOと比較すると、改良されたノンアスベストのスレート屋根材のコロニアルグラッサやコロニアルクァッドは丈夫で、不具合が見られないことが多いです。

したがって、みらい住宅サポートでは改良版ノンアスベスト屋根材は塗装可能であるとの見解です。

注意したいのは、”新築時の施工書に書かれた屋根材”と”実際に乗っている屋根材”は本当に同じものか?という点です
何事も疑ってかかるのは良くないですが、現場を見ていると施工書と実物が違うという事がたまにあります。
特に2008年前後の切り替え時期に新築したお住まいは、施工書だけで判断するのは危険です。

誤った判断をすると誤った仕様で塗装することになってしまいますのでご注意ください。
また、屋根材の種類や劣化具合によって適切なメンテナンス時期は異なります。

前回の塗装の剥がれ

塗膜の剥がれ

古い塗装が剥がれてしまった屋根は塗装をおススメしません。

古い塗膜を完全に除去させてから塗装するのは現実的に不可能ですし、塗膜を剥がさずに古い塗膜を固めて塗装することもできますが、塗料本来の耐用年数が発揮できないばかりか、数年で再び塗膜が剥がれてくる可能性も残ってしまいます。

こちらもノンアスベストと同じく、近い将来屋根の「屋根葺き替え工事」か「屋根カバー工法」が必要になるので、今のうちに替えてしまった方が余計な費用がかかりません。

雨漏り補修が逆効果

雨漏りしたので他社へ依頼したところ、このような補修をされたようです。

雨漏りしている周辺の、スレートの隙間をコーキング剤で埋めています。

一体何をどうしたらこういうことを思いつくのか…信じられません。

こんなことをしてはかえって排水性が悪くなり、 結果的に下地が腐食してしまいます。埋めてはいけない隙間を埋めると、逆に雨漏りを発生させる原因になってしまいます。

この上から塗装は絶対NGです。下地腐食の可能性が高いので、 葺き替えの必要があります。

なんで塞いじゃいけないのか?

では、なぜスレートのすき間を塞いではいけないのでしょうか。

実はこのすき間には、重要な役割があるのです。

屋根の通気1
隙間がある屋根

屋根の通気2
隙間を埋めた屋根

強風や大雨などの想定外の雨が降った時に、構造上屋根材の下に雨水が入り込んでしまいます。

入りこんだ雨水はどうなるかというと、このちょっとしたすき間から排出されるようになっています。

また、このすき間は建物内の湿気や暖かい空気の逃げ道になります。

屋根にすき間がないと屋根裏で内部結露した水分がたまってしまい、中の断熱材や木材が腐ってしまいます。

ですので、このすき間は塗料やシーリングで絶対にふさいではいけません。

※他にも「毛細管現象」など、屋根に水が入る要素は様々あります。

塗装時に、スレートのすき間を埋めてしまわないための専用部材があることからも、埋めてはダメな事がお分かりいただけるかと思います。

塗装できない屋根の対処法

では、塗装できない屋根はどう対処をすればいいのか。

みらい住宅サポートではディプロマットスターやスーパーガルテクトの「屋根カバー工法」または「屋根葺き替え工事」のご提案をしています。

パミールをディプロマットスター(D’sROOFING)へ

Before
After

日本瓦をエコグラーニ(D’sROOFING)へ

Before
After

屋根施工事例

瓦屋根→コロニアルグラッサ
スレート→スーパーガルテクト
屋根塗装
屋根カバーor屋根塗装

最後に

屋根はメンテナンスをしないまま年数が経つと、今までの写真のように劣化箇所が多く・深くなり、補修費用も予想以上にかさみます。雨漏りのリスクや、近年の異常気象で板金が飛び、ご近所様のお住まいやお車を傷つけるリスクも出てきます。

みらい住宅サポートは塗装だけではなく、屋根リフォーム工事なども取り扱っておりますので、塗装にするか屋根リフォームにするかお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

屋根の状態にあった内容を総合的に判断し、最適な方法をご提案させて頂きます。

ご相談・現場調査・お見積は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。