瓦屋根について
お世話になっております。
みらい住宅サポートの三浦です。
今回は瓦屋根について現場レポートしていこうと思います。
瓦屋根というと重厚感のある日本家屋を思い浮かべる方が多いと思います。
瓦屋根といっても種類は多岐に渡り、それぞれ特徴があります。洋風の住宅や、現代的な家と相性が合う瓦もたくさんあります。屋根は機能はもちろん、家の印象を変える大事なポイントです。
瓦屋根の種類
1.粘度瓦
日本で最も主流な瓦と言っても良いでしょう。粘土質の土を成形し、高温で焼成します。古くから使われており、日本の風土に適していることも実証済みの素材です。耐久性・遮音性にも優れており、雨音が気になりません。
粘土瓦の一番のデメリットは、その重量です。他の屋根材に比べて重いことから、建物全体にかかる負荷が大きくなるため、耐震性には劣ります。
粘土瓦には釉薬瓦、無釉薬瓦の2タイプがあります。
2.釉薬瓦(陶器瓦)
釉薬瓦(陶器瓦)は、粘土を成形後、ガラス質の釉薬(うわぐすり/ゆうやく)を塗布して焼成した瓦のことで、色やツヤに変化をつけることができます。厳密に言うと、釉薬を塗っていない陶器製の瓦も存在しますが、釉薬瓦の呼称として「陶器瓦」という言葉が使われることが多いです。
耐水性に優れ、色あせもしにくい釉薬瓦は、存在感のある美しさを長く楽しむことができるでしょう。
3.無釉薬瓦(いぶし瓦・素焼き瓦など)
無釉薬瓦(無釉瓦)は、釉薬を塗らずに焼成する瓦のことです。古くから残る城や寺社でも多く見られるため、耐久力が高いことがわかります。いぶし瓦・素焼き瓦・錬込瓦・窯変瓦 、といった種類がありますが、多く採用されているのは「いぶし瓦」と「素焼き瓦」です。
・いぶし瓦は焼成後、釜の中でいぶすことによって、表面に炭素膜を作り、味のある黒~銀の色味になるのが特徴的です。中でも有名なのが、写真の『淡路瓦』です。
耐用年数は30~60年ですが、経年劣化によって炭素膜が剥がれると、色や耐水性も落ちてくるので、その際は補修が必要です。
・素焼き瓦は、粘土を焼いた時の色がそのまま活かされるので、自然な風合いを堪能できます。酸化炎焼成による赤色のため「赤瓦」と呼ばれることもあります。
洋風建築で人気のスペイン瓦やテラコッタ瓦も、素焼き瓦の一種です。
4.セメント瓦・コンクリート瓦(モニエル瓦)
・セメント瓦、コンクリート瓦は、セメント・水・砂を主原料としています。一般的には塗装で色付けをしますが、セメントに顔料を混ぜて色をつけているタイプの商品もあります。
粘土瓦は瓦の角が丸くなめらかですが、セメント瓦やコンクリート瓦の場合は角がギザギザの形をしています。
色やデザインが豊富であり、粘土瓦よりも寸法の狂いが少ないため、施工が容易です。
5.セメント瓦
焼き物ではなく、セメントで形成するため陶器瓦よりも形成の精度が高いところがメリットです。しかし耐久年数は焼き物の瓦よりも劣るため、定期的なメンテナンスが必要となります。
6.練り込み瓦
頑丈で遮音性に優れており、雨が降っても音が気になりません。しかし、粘土瓦は頑丈が故重く、建物への負荷が大きいため耐震面では劣ります。
7.素焼き瓦
粘土瓦である無釉瓦の一種で、粘土の色を活かした赤茶色をした瓦。スペイン瓦も素焼き瓦の1つです。
8.ガラス瓦
名前の通りガラスで作られた透明な瓦。明り取りに吐き出し窓を付けることもできますが、雨漏りの原因になりやすいので、一部分だけ天井からの光を取り入れたいという時はガラス瓦がオススメです。
瓦屋根の形
1.J形(和瓦・和形瓦)
J形の(和瓦、和形瓦)J”は、”Japanese(=日本式)”を意味しており、日本で古くからある、波打ったような形をした瓦屋根です。
2.F形(平板瓦)
・F型の(平板瓦)Fは、”flat(=平らな)”の頭文字。その名の通り、凹凸のないすっきりとしたデザインは、現代の洋風の住宅にもよく似合います。
3.S形(スパニッシュ瓦)
大きく波打っているため、陰影が美しい瓦です。素焼き瓦・セメント瓦などで洋風のデザインに仕上げたい時に用いられることが多いです。
J形と同じく、通気性と断熱性に優れています。
瓦屋根のメリット
1.瓦屋根の耐久性は50年以上あり、1000年以上昔に作られた瓦が今でも使われているお寺もあると言われています。
2.コストパフォーマンスがいい半永久的に使えるメンテナンスフリーの瓦(釉薬瓦)も存在し、コストパフォーマンスが最も高いと言える瓦です。
3.デザイン性形や色・素材など部分的に使い分けることができるため、デザインの自由度が
4.部分的な修理が可能他の屋根材と異なり瓦は1枚1枚貼っていくため、部分的な修理が可能です。 悪くなってしまったところピンポイントで修復することができるためメンテナンス費用を抑えることができます。
5.和風住宅、洋風住宅両方に対応波の凹凸や色やツヤなど種類は多岐に渡るため、どんな住宅にも合わせることが出来ます。
6.遮音性が高い瓦はその形から屋根と屋根材の間に空間が生まれ、雨音など屋根からの音が居住スペースに響きにくくなっています。
7.断熱性が高い上記と同じ理由で外に断熱性も高く、梅雨や台風があり、寒暖差のある日本の気候と非常に相性のいい素材と言えます。
瓦屋根のデメリット
1.耐震性に劣る(建築基準法改正前)耐久性は非常に優れた素材ですが、瓦は1枚あたり2~3kgほどあり家全体にかなりの重さがかかることになります。 新築の際はそれを考慮して躯体を頑丈に施工しますが、瓦屋根でなかった家を後から瓦屋根にリフォームするのは地震が起きた際に崩れる恐れがあるため、オススメしません。
2.初期費用が高いランニングコストは低いですが、他の屋根材と比較すると高価な素材になります。 専門的な業者による施工が必要のため、イニシャルコストは高くなります。
葺き替え工事など撤去や処分費が掛かるような工事だと費用が高くなる場合があります。
瓦屋根のメンテナンス
1.どんな屋根でもメンテナンスは必要耐久性のある瓦はメンテナンスが必要となる頻度は下がりますが、 どんなに頑丈な屋根でもズレや飛散などに注意が必要です。
2.メンテナンスの周期や内容焼き物の瓦は10年に1度、それ以外は5年周期で色落ちやカビなどの状態を点検し、必要に応じてメンテナンスするようにしましょう