棟板金について
お世話になっております。
みらい住宅サポートの三浦です。
今回は棟板金について現場レポートをしたいと思います。
棟板金とは、スレート屋根や金属屋根の頂点にある板金のことです。
屋根の内部に雨水が入らないように取り付けられています。
この棟板金には注意してほしい劣化現象があります。
それは、板金をおさえる釘が、だんだんと抜けてきてしまう症状です。
釘が抜けたまま放っておくと、台風や強風で浮いてしまったり、飛散してしまうことが度々あります。
スレート・コロニアル屋根・金属屋根の方は、必ず知っておいてほしい知識になりますので是非この現場レポートを見て参考にして下さい。
棟板金の釘について
1、熱膨張
築7~10年すると、大抵のお家で棟板金を固定する釘が抜け始めてきます。
釘が抜ける原因は、棟板金の“熱膨張”にあります。
熱膨張とは金属が熱で温められた時に膨張が起きる現象です。
棟板金は金属のため、日に当たると太陽の熱で膨張し、夜気温が下がると収縮します。
膨張するときは釘も一緒に引っ張られますが、収縮するときは板金だけが収縮して、長い間膨張・収縮を繰り返すことで、徐々に釘が抜けてきてしまいます。
日当たりの良い家だと釘が抜けるスピードも速くなるので、築7年が過ぎたら業者に屋根のチェックをしてもらい適切なアドバイスをもらった方がよさそうです。
2、釘が抜けた事で起こる劣化
棟板金の釘が抜けることで起こる劣化症状をご紹介します。
棟板金の釘は、抜けただけでは大したことがないように感じられるかもしれませんが、後々大きな劣化に繋がっていきます。
・貫板の腐食
釘を打たずに放っておくと、抜けた釘から貫板に雨水が伝わり腐食が進みます。
貫板が腐ると、釘を打ち込んでも木がボロボロになって釘が効かなくなるので貫板交換工事が必要になります。
3、棟板金の飛散
釘が抜けていることに気付かずに放っておくと、15年前後で棟板金が風で飛ばされてしまうことがあります。
棟板金は先が尖っているため落ちてきたら大変危険です。
また、棟板金が飛ばされると貫板に直接雨が当たるため、雨漏りの原因になります。
飛んでいるのが分かったら業者に点検してもらい応急処置や工事の依頼をしましょう。
棟板金の劣化症状
・釘の浮き
・棟板金の浮き、剥がれ
・棟板金の飛散
棟板金の貫板
貫板とは棟板金と一緒に収められている板金の下にある板の事です。
棟板金を固定する為に取り付けられる基礎となる大事な素材です。
貫板をしっかりと屋根に固定していなければ
台風などで簡単に飛んでしまう危険性があります。
みらい住宅サポートで工事をする際は樹脂製の貫板に交換する事をおススメしています。樹脂製の貫板なら腐食する事がない為雨漏れのリスクが減ります。
棟板金のメンテナンス
1、釘の打ち直し、塗装
一昔に使われていた錆びやすい鉄釘だけでなく、最近の高性能な釘であっても経年劣化は免れません。
釘の打ち直しや塗装のメンテナンスは、遅くとも7~10年に一度を目安におこないたいものです。
メンテナンスを怠って釘の劣化症状を放置すると、雨漏りが生じたり屋根下地の劣化につながるので要注意。また、塗装は塗料によって耐用年数が変わります。
一般的には安価な塗料であればあるほど耐用年数が短い傾向にあるため、施工費用が安かったとしても結局はメンテナンスの頻度や費用が増えてしまう可能性もあることを知っておきましょう。
2、棟板金の交換
棟板金の劣化が激しい場合は、10年前後を目安に新しいものと交換することが推奨されています。
棟板金本体がひどく損傷している場合は、釘の打ち直しや塗装などのメンテナンスをしても根本的な解決にはならず、雨漏りや屋根材の剥離・落下などのリスクが高まるからです。
換気棟について
換気棟は屋根の棟に取り付けられている換気システムです。室内で暖められた熱はそのまま上昇し屋根裏に到達します。
こうなると冬場は温度差により屋根で結露が発生します。
逆に夏場は60度近くになった高温の空気が屋根を支えている野地板、梁、垂木、棟木等の構造木材が乾燥し耐久性が低下してしまいます。
換気棟のその空気の動きを活かし自然に排出させることで屋根裏の結露や木造の耐久性低下を防いでくれているのです。
換気棟のメンテナンス
換気棟は錆びにくく耐久性に優れているガルバリウム鋼板が中心ですが、棟板金同様に経年劣化により穴が開いてしまい雨漏りを引き起こす原因にもなります。雨漏りを引き起こさないためにも必ず定期的なメンテナンスが必要となります。
・釘やビス固定確認棟板金同様に強風の影響を受けやすいため外れにくい構造にはなっていますが、経年劣化によって外れてしまう可能性もあります、定期的に固定されているか確認が必要です。・シーリング材の経年劣化棟板金との取り合いに施工されているシーリング材は5年前後で劣化してしまいます。換気棟だけでなくシーリング材がしようされている箇所は肉痩せやひび割れが起きないかを確認しましょう。・錆色あせや錆が発生しそのまま進行すれば耐久性を著しく低下させ穴が開いてしまえば雨漏りに発展してしまいますので定期的な屋根塗装工事で塗膜保護を行うようにしましょう。