クロス張替えの相場と失敗例
部屋の中でも大きな面積を占めるクロスは、部屋のイメージを印象付けるとても重要な要素です。
最近では自分でD I Yできるキットが販売されるなど、比較的簡単なリフォームに思えるクロスの張替えです。
しかし、実際には、ポイントを理解しておかないと、失敗してしまうこともあります。リフォーム自体にかかる費用も決して安くありませんので、十分な知識を持っておいた方が良いです。ここでは、クロスの張替え・壁リフォームの相場と、失敗しないためのポイントを事例とともにご紹介したいと思います。
1.クロスの張替えリフォーム費用相場
クロスの相場は?
クロスの単価に注意
クロス以外にかかる費用は?
2.クロスの張替え失敗例
サンプルと実際の仕上がりではイメージが違った
柄物を選んだら数年で飽きた
真っ白すぎて違和感がある
機能性クロスのデメリットを把握していなかった
家電が不調になった
1.クロスの張替えリフォーム費用相場
クロスを張替える費用は、クロスのグレードによって変わります。グレードは、大きく分けると、安価な「量産品」と、デザイン性や機能性に優れた「1000番台」の2種類あります。
さらに、クロスの値段だけではなく、工事に関わる費用が発生します。具体的な費用の内容と見積もりを知って、実際にクロスの
リフォームする際、チェックすべき点について見ていきましょう。
クロスの相場は?
前述した通り、クロスには2種類のグレードがあります。それぞれの特徴と単価は以下のようになります。
・クロスのグレード別料金
壁紙のグレード | 費用相場 |
量産品(1平米あたり) | 800円〜1,200円 |
1000番台(1平米あたり) | 950円〜1,600円 |
量産型はその名の通り、大量生産されているベーシックなタイプです。量産型クロスは厚みのある製品が多いため、下地やジョイントが目立ちにくく、価格も低く抑えられるというメリットがあります。安価な量産品であれば、1平米につき750~800円程度で収まることも。1000番台クロスは、量産型に比べ色や柄のバリエーションが豊富です。さらに、消臭・アレルギー対策・湿度調整・傷に強いなどの機能性を持った製品も多くありますが、その分やや費用は高くなります。
クロスの単価に注意
クロスの料金は「㎡と表記される平米単価」と、「mと表記されるメートル単価」の2つの表記方法です。「平米単価」とは、1平米(縦横1mの正方形)の張替え費用です。1m×1mが面積単価になります。気をつけたいのが「メートル単価」。実は一般的な壁紙のロール幅は90㎝のため、1m×0.9mが面積単価にです。一見同じに見えてもメートル単価の方が総額は高くなるため、単価の単位をしっかり確認が必要です。
クロス以外にかかる費用は?
クロスのリフォームには、材料費+工事費用で構成されており、クロスを張替える場合は壁紙の費用+諸々の工事費用です。
見積もりの段階で注意すべきことは、クロスの材料費のみだけでなく、料金設定の詳細をしっかり確認しましょう。
クロス費とは別にかかる費用は以下のような内容になります。
・室内養生費:張替える部分の周囲に傷がついたり汚れたりしないように覆う費用
・下処理費:古いクロスをはがした後、下地を整える費用
・廃材処理費:リフォーム前の古い壁紙を処分する費用
・荷物移動費:クロス張替えで作業の邪魔になる家具などを移動する費用
※荷物移動費に関しては、あらかじめ家具を移動しておくことで節約可能です
6帖の部屋でこれらすべてを行なった場合、だいたい13,000円(税込)〜が相場です。クロスの費用だけでなく、事前に作業費用の確認と、その費用が相場とかけ離れていないかをチェックすると安心です。※帖とは床面積のことなので、天井の高さでも金額は変わります。
2.クロスの張替え失敗例
費用相場を確認いただくとわかるように、決して安い費用ではないため、十分な知識を持ってクロスのリフォームに臨みたいですよね。そこで、クロスの張替えリフォームに失敗しないためのポイントを事例でご紹介したいと思います。
サンプルと実際の仕上がりではイメージが違った
クロスのサンプルで見る印象と、実際に大きな壁に張った印象は異なるため、リフォームしてみたものの、イメージと違うという場合もあります。
リフォーム後の仕上がりをより正確にイメージできるよう、サンプルはなるべく大きなもので確認しましょう。また、色柄の華やかなクロスを使う場合は部屋においてある家具やカーテンの色も考慮するなどするのがおすすめです。可能であればショールームなどで実際に壁に貼った時の印象を確認するのが理想的になります。
柄物を選んだら数年で飽きた
一般的にクロスをリフォームするタイミングは、5年~10年後と言われています。リフォーム時は気に入った柄でも、5年後、10年後に生活環境や好みが変わることもあります。例えば、子ども部屋の場合、小さいうちは子どもらしいものにしても、成長に合わせて、インテリアが変わるため、似合わなくなることも。でも、無難な色ばかりにしてもつまらないと感じる場合には、クロスの一面だけを好きな色、好きな柄にするという方法があります。一面だけであればアクセントとして、インテリアと調和しやすいというメリットのほか、リフォーム費用も全面を張替えるよりお値打ちです。
真っ白すぎて違和感がある
「白」はどんなインテリアにも合いやすく、一般的なクロスのイメージでもあるため、とりあえず「白」のクロスを選ぶ方は多いのではないでしょうか。ところが、本当に真っ白にしてしまうと、クロスだけが浮いた感じになってしまいます。ほとんどのクロスにはうっすらと色や模様が入っていたり凹凸のある加工が施されています。本当に違和感がないか、必ず実物のサンプルで確認すると良いです。また、あまりにも白い壁紙を選ぶと「壁紙をリフォームした部屋と比べて、隣の部屋の壁紙が汚く見えるようになってしまった」というケースもあります。隣の部屋の壁と近い色合いのクロスを選ぶと、新旧の差が出にくくなります。
機能性クロスのデメリットを把握していなかった
機能性クロスには、さまざまな機能があります。
消臭抗菌・・・空気中のニオイや菌を吸着・消臭する
汚れ防止・・・表面コートで汚れが拭き取りやすく、傷にも強い
ホルムアルデヒド消去・・・建物内のホルムアルデヒドを吸収する
高耐久性・・・表面加工により表面が丈夫で傷がつきにくい
調湿(吸湿・放湿)・・・空気中の湿気を吸収したり放出する
蓄光・・・照明の光を蓄え、電気を消した後でも、ぼんやり光る
抗ウイルス・・・抗ウイルス性成分が、クロスの表面に付着したウイルスを減少させる
ざっと並べるだけでも、このように多種多様な機能性クロスがあります。
ただし、製品により素材自体が薄めのものなど施工が難しいものがあるため、下地の凹凸が出やすかったり、クロスとクロスの継ぎ目が目立ちやすくなったりする場合もあります。そのほか、湿度の高い時期には膨らみがあったり、テカりが気になったりと、通常のクロスと微妙な違いが出ることも。値段や機能だけでなく「普通のクロスと比べて違う部分はないか」必ず施工業者さんに相談してアドバイスをもらうのがおすすめです。
家電が不調になった
クロスを張替える際には、エアコンや天井の照明など、家電を取り外す必要があります。工事中に室内に舞ったホコリが入り込み、家電の調子が悪くなってしまうケースも報告されているためです。パソコンがある部屋のクロスリフォームをした際に、業者がパソコンにビニールをかけてくれたので安心していたところ、工事後、いざパソコンを使おうとしたら「電源を入れても動かない!」という問題も実際にあった例です。
クロスの交換時には、想像以上に細かいホコリが出てしまいます。張替え中はもちろん、リフォーム後もしばらくは細かいホコリが舞っており、電子機器に入り込んでしまうことで故障や不具合の原因になってしまうのです。工事の際にはビニールなどで保護を行うのですが完璧にホコリを防げるわけではありません。家電に限らず、汚したくないものがあれば事前にリフォームを行う部屋から移動させておくことが大切です。
壁紙リフォームと言っても、意外に簡単ではないと感じる方も多かったと思います。
壁紙リフォームの相場や作業料金の確認、失敗例の対策を行うことで、良いリフォームができると思います。
リフォームに関して困ったことなどありましたら、みらい住宅サポートにお任せください。