2021.06.27

横浜市泉区にて屋根塗装時の縁切り作業が不十分で、屋根材が水を吸って変色してしまっていました。

横浜市泉区にスレート屋根のお宅の屋根調査のご依頼を頂きました。
8年前に塗装した屋根の変色が気になり、SiMにお問い合わせくださいました。
早速、屋根に上らせていただくと、黒で塗装された屋根が、色落ちとは違う変色をしていました。

スレート端部の変色

変色箇所に近づいてみると、屋根材の端部(重なり箇所)が変色しているのが確認できます。
この変色は、スレート屋根材が水を多く含んでしまっていることが原因です。
本来、屋根塗装の際はスレート材が重なり合う箇所には水が流れていくように隙間を設けるのですが、こちらのお住まいでは、8年前に行った屋根塗装によってその隙間が埋められてしまっているようでした。
スレート材の重なる箇所に隙間を設けないと、水分の逃げ場を失います。
こうして逃げ場を失った雨水や屋根裏からの水蒸気などの水分が屋根材の裏に溜まってしまうと、スレートが水分を吸い上げてしまい、屋根材が劣化し変色を起こします。

また、表面の塗膜が劣化したスレート材は水を吸いやすくまりますし、水分を多く含んでいるスレート材は脆くなります。
こういった現象が起きないようにするためにもスレート屋根材には、適切なタイミングと施工でメンテナンスをする必要があります。

屋根塗装でスレート材の重なる箇所を埋めてしまうことが無いよう、屋根塗装を行う際には、『縁切り』や『タスペーサー挿入』といったことを行う必要があります。
屋根塗装を行う際には、この作業が確実に行われるかを確認することが大切です。

屋根材が多く含んでいる状態が続くことで、屋根材の劣化が進むのはもちろんのこと、その下のルーフィング(防水紙)まで傷めてしまうと建物内部への雨漏りが発生する可能性があります。
今回のお住まいでは、まだ建物内部では雨漏りはしていないとのことでしたので、「屋根カバー工法」や「屋根葺き替え工事」をお早めに行うこともご検討くださいとお話させて頂きました。