換気棟の重要性
いつもお世話になっております。みらい住宅サポートの川口です。
家にとって湿気や熱気は大敵ですから、換気は十分に行いたいところです。
そこで十分な換気を行うため、屋根に「換気棟(かんきむね)」をつけるお宅が増えつつあります。
換気棟をつけているお宅はまだまだ少ないのですが、これから増える傾向にあります。
屋根に換気棟を取付けることでさまざまなメリットがあります。
今回は換気棟について解説していきます。
換気棟とは
換気棟とは、屋根裏にこもりがちな「湿気や熱気」を外に逃すために、屋根の頂部である棟部分に取り付けられている部材です。
室内の換気がうまく行われていないと、夏は室内の温度が上昇しやすくなりますし、冬は結露が出来やすくなってしまいます。
換気棟をつけることで、屋根裏などにたまった湿気や熱気を外に出して、家が傷むのを防ぐことができます。
普段生活をしていて、屋根を見る習慣のある人は少ないと思いますが、もし見る機会があるのなら、屋根の棟にある「換気棟」を見てみてください。
棟にそって小さな穴や隙間が空いている部材がついているものがあったら、それが換気棟です。
素材は、ガルバリウム鋼板製の換気棟が使われていることが多く、屋根の種類に合わせて施工すると、一体感が出て綺麗に仕上がります。
換気棟だけ取付けるケースはほとんどなく、大抵の場合は新築時か屋根リフォーム工事や修理の時に換気棟をつけています。
1棟あたり1〜3個の換気棟をつけることが多いです。
換気棟を取り付けるメリット
換気棟を取付けるメリットは、前述したように屋根裏にたまった「湿気や熱気」を外に逃すことができるという点です。
湿気を逃がす
近年、天井断熱工法が広まってきているので、住宅の「断熱性や機密性」はとても高くなっています。
断熱性や機密性の高い住宅は、特に冬の寒い時期などは大変ありがたいのですが、湿気や熱気が屋根裏など、家の上部に溜まってしまうと、家にダメージを与えてしまいます。
冬の場合は結露が発生しやすくなるので、家自体にダメージを与えるだけでなく、シロアリやカビ・ダニの発生も引き起こしやすくなってしまいます。
換気棟を設置することで、湿気の逃げ道が生まれ、結露によるダメージを減らすことができます。
熱気を逃がす
夏の場合は、屋根が太陽の熱で高温となるために、屋根裏の温度が高くなってしまいます。
そうなると室内全部の温度が高くなりやすくなり、エアコンを使っても、あまり効果がなくなってしまうのです。
光熱費を削減するためにも屋根裏の換気を十分行うことが重要です。
換気棟を取付けることで熱気が外に流れ出るため、屋根裏の温度が下がり、省エネにつながります。
換気棟から雨漏りはしないのか
日本では、屋根裏の換気を十分に行うべきにも関わらず、換気棟はあまり利用されていません。
よく採用されている換気方法は、「軒下換気」や「妻換気」であり、換気棟を使っていらっしゃるご家庭は、それほど多くはありません。
その理由は、屋根の頂部に穴が空いたパーツをつけることで、雨漏りの心配が出てくるからです。それが唯一のデメリットになります。
建築事務所やハウスメーカーなどは、雨漏りのリスクを減らすために、換気棟をつけない方向で動いています。
確かに、換気棟をつけると、屋根の野地板(下地)に穴を空けるので、雨水の侵入が気になってしまいます。
ですが、雨仕舞をきちんと行い、適切に取付けを行えば、雨漏りすることはありませんので、ご安心ください。
まとめ
家を湿気や熱気から守るためには十分な換気が必要です。
その湿気や熱気の逃げ道を確保するために効果的な部材が「換気棟」です。
換気棟の取付けで、冬場は湿気を逃がして結露対策になり、夏場は熱気を逃がして暑さ対策となります。
換気棟の取付けのリスクとして屋根に穴を空ける作業となり、取付けるためには専門的な知識と技術が必要となります。
換気棟取付けに関して、ご不明点やお見積り希望ございましたらお気軽にご相談ください。